数えきれぬほどスカーミッシュを繰り返した後、私はネット対戦をすべく当時のMSN Zoneへと赴く。そこには日本人も外国人も沢山いたが、そこで繰り広げられるバトルは、それまで私が行なってきたものとは異次元の世界だった。
とにかく物凄い早期の段階で大量のトルーパーが攻めてきて、軍備が整う前にあっという間に自国が焦土と化してしまう。このゲームはとにかくラッシュが強く、COM戦の感覚で1-2時間のビッグゲームを想定している初心者は開始10分で投了するハメになる。
敗北を重ねながらリプレイを研究し、ラッシュパターンを学んだ私は少しずつ勝てるようになると同時に、ゲームに様々な戦略が存在することを知った。内政手順は効率化され、反復練習を行い、無駄な行為には一切手を出さなくなった。より高次な駆け引きの段階に移行したと言えよう。
しかし代償も大きかった。私はもうAIを相手にしたスカーミッシュが全く楽しめなくなっていたのだ。だってAIはT2ラッシュをすると、為す術もなく死んでしまう。難度を最高にすれば相手になるのだが、あまりにも資源チートが激しすぎてもはや完全に別のゲームだった。
私は高次な駆け引きの楽しさと引き換えに、このゲームのことを何も知らずに、無邪気に初々しくユニットを操っていた頃の楽しさを失ってしまったのだ。自国の壁の内側で無意味にダークトルーパー軍団をパトロールさせ、亀プレイを楽しんでいた時代には二度と戻れない。
ゲームに限らず人が成長するということは、描きこまれた地図を頼りに賢い航海ができるようになる代わりに、白紙のノートを失うということなのだ。